空が青い。
どこまでもどこまでも、ぐんと青い。
からりと乾いた風は、お日様の匂いがした。
眩しい夏が、もうそこまでやって来ている。
夏本番まであと少し――
――― 蒼い月 ―――
「もう、夏だねー・・・」
「ああ、今年も暑くなりそうだなー」
開け放たれた部屋の窓から、サクラがぼんやりと外を眺めていた。
キラキラと光の欠片が反射している。
夏特有の眩しい陽射しに、思わず目を細めてしまう。
ポッカリ浮かんだ白い雲は、夏の到来を告げていた。
遠くに気の早いセミの声が聞こえて、それだけでもう気がそぞろになってきた。
「ふふっ、先生の部屋、暑いからなぁ・・・。エアコンとか買えばいいのに」
「んー、買って使うほどここに居ないからねぇ。それに夏は昔から暑いもんなんだよ」
「・・・そうですか・・・」
肩を竦めてベッドに腰を下ろし、足をパタパタさせながら、カカシの顔を覗き込む。
「こんなにお天気が良いと、どこか泳ぎにいきたくなんない・・・?」
「・・・『日焼けしたくないから今年は泳がない』って言ってたの誰?」
「そうだっけ・・・?」
「なんだよ、この前言ってたろうが・・・」
「あはは、ごめんなさい。そういえば私、そんな事言ったかもしれない」
「言ったかもじゃなくて言ったの。なに・・・、気が変わったの?」
「んー・・・」
「・・・?」
「んー・・・、でもやっぱり・・・」
「やっぱり・・・、何だよ?」
「うん、やっぱり止めた!」
「なんだよ、忙しいなぁ・・・」
「・・・だって、この近くで泳げるところって言ったら・・・。行けば絶対、顔見知りだらけでしょう・・・」
「・・・・・・」
カカシとサクラが任務を離れて、プライベートでも親密に顔を逢わせるようになってから、もう一年以上が過ぎている。
もう指導をする立場でも、指導を受ける立場でもない。
対等の立場とは程遠いけれど、それでも一人前の忍同士として同じフィールドに立ち、任務にあたっていた。
そう、一人前同士。
別に悪い事をしているのではない。
でも、二人の仲を知る人は誰もいなかった。
公私混同する事だけは絶対に避けてきた。
後ろ指をさされるような恋愛にだけはしたくなかった。
だから、どうしても二人の仲を明らかにする事は出来なかった。
周りの人達はいつまでも『先生と生徒』として二人を見ていたから。
こんな二人の関係も、カカシにとっては大して苦痛ではなかった。
頭の片隅でちゃんと事態を割り切って、上手く気持ちを切り替えられる。
任務中のカカシは、見事なまでに他人を演じきっていた。
でも、サクラは違う。
いつの間にかカカシの姿を目で追って、気もそぞろになってしまったり、
かと思うと、周りにばれないように頑なな態度を取り過ぎて、かえってみんなに不審がられたり・・・。
上手に気持ちを切り替えるには、あまりにサクラは若かった。
後ろめたさと背中合わせの恋心は、想いが募れば募るほど罪悪感が付き纏う。
人目を気にする秘密の恋など、始めこそスリリングで刺激的だけど結局は神経が磨り減るばかりで、
最近では、どこか淋しそうに微笑む表情がすっかり板に付いてしまった。
諦め顔で小さく笑うサクラの姿に、カカシの胸がキリキリ痛む。
「ごめん・・・。サクラにいつも、いろいろ我慢させちゃって・・・」
「ううん、そんな事ないよ!我慢なんてしてない・・・!」
「・・・・・・」
「ただ言ってみただけなの。ごめんなさい、もう忘れて」
懸命に笑顔を浮かべ、大きく首を横に振る。
そして、カカシのシャツの裾をぎゅっと握り、小さく小さく呟いた。
「うん・・・。カカシ先生とこうしてるだけで、もう十分だから・・・。本当に十分だからね・・・」
俯く瞳が濡れているように見えた。
それはまるで、自分の心に呪文をかけて、しっかりと言い聞かせているようにも見えて。
カカシの痛みが増幅する。
静かにサクラを抱き締めた。
やけに小さな肩を引き寄せ、息も出来ないくらいきつくきつくサクラを腕の中に閉じ込めた。
「ふふっ・・・。先生、苦しいよぅ」
顔を埋めるカカシを、甘く諌めるようにサクラが笑いかける。
愁いを帯びた、やけに大人びた笑顔。
何時からこんな笑い方をするようになったんだろう。
・・・気が付けば、少女はまだ不釣合いなはずの、大人の表情ばかりを見せていた。
(やっぱり無理させてるよな・・・)
本当はいろんなところに、もっともっと行きたいだろうに。
人前で堂々と手を繋いだり、恋人らしくしたいだろうに。
友達に自慢したり愚痴をこぼしたり、そんな当たり前の事を当たり前のようにしたいだろうに。
なのに、全部我慢して、なんでもない振りをして相手を気遣って・・・。
「よし、行こう!」
「え・・・?」
キョトンとするサクラに、カカシがニッと大きく笑いかけた。
「明日、新しい水着買っておいで」
そして、数日後。
まだ完全に夜も明け切らぬ早朝、二人はひっそりと木の葉の門の前に佇んでいた。
ほの暗い群青の空に、ポツンと蒼い月が浮かんでいる。
二人して静かに月を見上げながら、大きく深呼吸を繰り返した。
凛と研ぎ澄まされた透明な空気が、身体一杯に満ちていく。
「じゃ、行くか」
「はい!」
ゆっくりと白み始める空。
日の出を待ち侘びた鳥達の囀りが、辺り一面に響き渡る。
それを合図に、二人は紗の国を目指し出発した。
元々はカカシ一人で請け負うはずの任務だった。
『軍事上のとある重要機密文書を、同盟国である紗の国の大臣の元に届け、
水面下で推し進められている両国の軍事提携を、速やかに執り行えるよう働きかける』
高ランクではあるが、二人がかりで請け負うほどの危険性はまずない。
しかし、カカシがどういう風に綱手を言い包めたのか、あの後すぐに二人に任務が言い渡されたのだった。
「面倒な交渉事はさっさと済ませてさ。あとは二人っきりのバカンスと洒落込もう」
軽く後ろを振り返り、茶目っ気たっぷりにウインクを送ってくるカカシに、サクラは嬉しそうに頷き返す。
鬱蒼と茂る森の木々を伸びやかに跳び渡る二人の背中は、何時になく軽く弾んでいた。
―・―・―・―・―・―・―・―・―
どこまでもどこまでも抜けるほど青く広がる大空。
そして、ジリシリと眩しく照り付ける強烈な陽射し。
水に濡れ、鮮やかさを増した緑色の芝生が、キラキラと懸命に陽の光を跳ね返している。
あちこちで絶え間なく湧き起こる歓声と笑い声。
チャプチャプと水の跳ねる音が、一瞬だけ焼け付く暑さを忘れさせてくれた。
公言通りさっさと交渉ごとを済ませ、その後の宴席などの面倒事は平に頭を下げて全て辞退し、
瀟洒なリゾートホテルにチェックインした二人。
荷を解くのもそこそこに早速水着に着替えると、一目散にプールを目指した。
「うわぁーー!」
両手を翳し、眩しそうに目を細めるサクラ。
陽射しに負けない大きな笑顔が、顔一杯に溢れている。
ワクワクして、ジッとしていられなくて、まるで小さな子供のようにはしゃぎまくっていた。
「カカシ先生ーっ!早く早くっ!」
「そんなに慌てなくても大丈夫だって・・・」
グイグイと手を引かれ、引き摺られるように水辺へ急ぐ。
サクラのワクワクがカカシにも伝わって、二人の足取りは羽のように軽い。
半ば小走り気味にプールサイドを渡り、空いてるパラソルの下へタオルを無造作に投げ入れると、
待ちかねたようにターコイズブルーに輝く水面に駆け寄っていった。
「きゃぁーっ!冷たぁーい!」
爪先を水に浸し、弾けるようにサクラが笑った。
大きな声で、顔中笑顔で一杯にして。
それは、昔よく目にした天真爛漫な明るい笑顔。
その笑顔に思わずハッとし、チクリ・・・とカカシの奥で何かが疼く。
(もうずっとこんな笑顔、お目にかかってなかったよな・・・)
周りのみんながゆっくりと大人の階段を昇っていく中、サクラは一人でその階段を駆け昇っていった。
そう仕向けたのは、他でもない自分。
何かを与えた分、何かを奪い去った。
果たして、それは正解だったのか。
「・・・・・・」
小さく頭を振り、余計な雑念を振り払う。
今だけは何も考えたくなかった。せめて今だけは・・・。
「・・・それぇー!」
「キャーッ!」
カカシはサクラを抱きかかえて、勢いよく水に飛び込んだ。
バッシャーンと大きな水飛沫が、辺り一面に跳ね上がる。
頭からずぶ濡れになり、目をまん丸くしたサクラがムッとカカシを睨み付ける。
「やだぁ、もう・・・。信じらんなーい!」
「ハハハ・・・」
そのまま水の掛け合いになった。
とにかく日常から逃れるように、二人して大袈裟にふざけ合った。
水の流れに身を任せながら、よろけた振りをしてしっかりと抱き合った。
デッキチェアに寝そべりながら、他愛もない話に笑い転げた。
人目を気にせず手と手を繋いで、片時も離れずぴたりと肩を寄せ合った。
ここでは誰も二人を知らない。
たったそれだけで、どうしようもなく幸せだった。
楽しい時間は、何時だってあっという間に過ぎ去ってしまう。
徐々に傾いていく夕陽を名残惜しそうにサクラが見送っている。
その横顔が、いつになく輝いていて艶かしかった。
カカシはゆっくり顔を近付けると、オレンジ色に染まる頬に静かに唇を押し当てた。
「せ、せんせ・・・!」
「なに?」
「みんな・・・見てるよ・・・」
「んー・・・ま、いいじゃない、別に。見せ付けてやろうよ」
「・・・そんなぁ・・・」
真っ赤に照れながら、サクラがカカシに身を任せている。
頬や額を優しくくすぐられて思わず笑い出しそうになり、身を竦めて恥ずかしそうに抵抗すると、面白がってますます唇を押し当てられた。
「は、恥ずかしいから・・・もう止めて・・・」
「ダーメ!まだまだ」
「ひゃっ、ひゃー!もう降参・・・」
緋色に染まり、沈みゆく太陽。
東の空には、ひっそりと白い月が昇り始めていた――
―・―・―・―・―・―・―・―・―
「あー、結構焼けちゃったなぁ・・・」
バスタオル姿のサクラが、洗面台の前で大きく溜息をついている。
しっかりと日焼け止めローションを塗っていたはずなのに、すっかり水で洗い流されてしまったらしい。
赤く火照った肩と白く残った水着の跡の落差がかなり激しくて、これでは水遊びしていた事がバレバレだった。
「結構赤いな・・・。氷で冷やすか?」
鏡の奥では、カカシがビールの缶を片手にこちらを振り向き、静かに目を細めている。
先にシャワーを浴び、Tシャツ姿で寛ぐカカシは、全く普段のままだった。
「ううん、大丈夫・・・。カカシ先生は全然焼けてないのね」
「まあ、体質なんだろうねー。今までそんなに赤くなった事もないから」
ふうっと溜息をつきながら、また鏡の中の自分を覗き込んでいると、コトリ・・・と缶をテーブルに置いて、カカシがゆっくりと歩み寄ってくる。
「せんせ・・・?」
「ん・・・」
焼けた肩に触れないように、後ろから優しくサクラの身体を包み込む。
鏡越しに交差して、絡み合う視線。
サクラはそれだけでもう息が詰まり、胸の鼓動がどんどん速まり出した。
ドキドキドキドキ・・・と、早鐘を打つような激しい響きは、サクラを包むカカシの腕にも確実に伝わっているに違いない。
その証拠に、カカシはフッと表情を和らげると、サクラの耳元に静かに顔を近付けた。
「あんっ・・・」
愛しそうにサクラの耳朶やうなじに柔らかく唇を這わせ、ツゥーっと舌先で肩の白いラインを辿っていく。
ヒリヒリ焼け付くような疼痛と、ゾクリとする快感がない交ぜになって、じわじわとサクラに襲い掛かってきた。
「んっ・・・!」
思わず、ギリッとカカシの腕に爪を立てた。
頭の奥がジンジンし出した。
背筋が震えて、ますます息が上がっていった。
「・・・はっ・・・ぁん・・・」
「やっぱり熱持ってるね・・・」
そんな事はお構いなしに、カカシの舌は肩から胸へと、ゆっくりと移動していく。
念入りに水着の跡を舌で追い、脇に挟んだバスタオルの端を少しだけ緩める。
「あ・・・!」
慌てて胸元を押さえるサクラの腕を、やんわりと、でも有無を言わさず広げていった。
サクラの困惑した視線の先には、悪戯っぽく笑う色違いの瞳。
「・・・嫌?」
「・・・いや・・・じゃない・・・けど・・・」
はらりと床に舞うタオル。
鏡の向こうには、赤く顔を火照らせ、小さく肩で息をしている自分がいる。
熱を孕んだ肌に、乾いた空調の風がヒンヤリと当たって気持ちが良い。
触れるか触れないか・・・。
ほんの僅か、皮膚の表面を撫でるように滑らせながら、日焼けの跡を下に下にと追っていくカカシの指先。
火照った肌には、たったそれだけでも飛び上がりそうなほど刺激が強かった。
「あぁっ・・・や・・・ぁぁ・・・」
身体中を巧みに弄られ、サクラの小さな膝小僧がガクガクと震え出した。
恥ずかしそうに目を細め、切なげに身を捩る。
すすり泣くような甘い吐息が、次から次へと溢れ出した。
「目立つトコには跡残せないから・・・」
白い胸に、次々と紅い花が咲き散らされる。
人目に触れぬその証を愛しそうにまさぐられて、一層鮮やかに花が綻ぶ。
顔中に熱い息が降りかかり、引っ切り無しに唇を塞がれて、もうサクラの頭の中は真っ白になっていた。
「んぅ・・・ふぅぅ・・・カカシ・・・せんせ・・・」
「・・・ん?」
指と舌で翻弄されて、そして、もっともっと昂めて欲しいと期待している自分がいた。
もっともっと感じたい。
カカシ先生を感じたい。
頭の芯がフワフワと揺れている。
自分が自分でなくなっていく・・・。
「せ・・・せんせっ・・・んんっ・・・うぁぁ・・・!」
焼けた肌よりも、もっともっと熱く滾るもの。
不意に、身体中がカカシで一杯になった。
「はっはぁぁっ・・・んーっ・・・んん・・・!」
期待に満ちたサクラの身体は、ちょっとの刺激にも敏感に反応してしまい、それがますますカカシを煽る。
ゆっくりだった動きがどんどん激しくなり、サクラの身体は人形のようにガクガクと揺すられた。
幾度も突き抜けるような快感が全身を駆け巡り、その度に小さく痙攣を繰り返す。
火照った肌がドクンドクンと脈打っている。
ザワザワと全身が粟立って、どんどん感覚が研ぎ澄まされる。
もう自力では立っていられなくなって、思わず洗面台の縁にしがみ付いた。
「お、お願い・・・もう・・・向こうに連れてって・・・」
「・・・ベッドの方がいい?」
「うん・・・」
コクリと恥ずかしそうにサクラが頷く。
「了ー解・・・!」
カカシは小さく笑みを漏らすと、軽々とサクラを抱き上げた。
うっすらと瞳を逸らして、上がった息を懸命に抑えようとする仕草が、またカカシを駆り立てる。
これほど素直にカカシを求めて、受け入れてくれたサクラは久しぶりだった。
荒い息遣いの唇を塞ぎながら、鏡の向こうの二人にチラッと一瞥をくれると、
頬を紅潮させたサクラが、うっとりとカカシの首に腕を回している。
(グッド・ラック・・・!)
片目を瞑り、向こう側の二人へ素早くエールを送る。
そして、サクラの舌を絡め取ったまま、ゆっくり鏡の端へと消えていった――
―・―・―・―・―・―・―・―・―
白いシーツにくるまりながら、サクラがぐっすりと眠っている。
蒼く冴え渡る月明かりの中でも、くっきりと浮かび上がる白い跡がそそるように艶かしい。
思わず、つ・・・と指先でその跡をなぞってみる。
ブルッと小さく身震いをしたが、サクラは目を覚ますことなく静かに眠り続けていた。
「・・・フゥ・・・」
小さく息を漏らし、カカシはそっと窓の外を眺めた。
空には、ポツンと蒼白い月が、天高くかかっている。
静謐でどこか物悲しいその光は、まるで自分の想いを映し出しているかのようで、
じっと目を凝らし、冴え冴えと二人を照らす静やかな月を、何時までも粛然と見上げていた。
サクラにいろいろ無理を強いているのは、分かっていた。
本当は、もっと歳相応の陽の当たる恋愛の方がお似合いだって事も、よく分かっていた。
でも、どうしても離れられなかった。
いじらしいほど一途に自分を求めるか細い腕を、無下に振り払うなんて出来る訳なかった。
「・・・・・・」
静かに眠る頬に、そっと掌を添える。
ピリ・・・ッと微かな痛みが走った。
この肌に触れるたび、心の奥がキリキリと痛み出して仕方がなかった。
サクラの幸せから一番ほど遠い事をしておいて、それでいてサクラに世界で一番幸せになってもらいたいと願っている。
自分ではサクラを幸せに出来ないと分かっていながら、自分ではない誰かがサクラの傍にいる事なんて絶対に許せないと思っている。
いつでも想いは堂々巡りで、その度に心の奥では痛みが増していった。
でも、どんなに痛みが増そうとも、彼女を手放す事なんて不可能だと分かっていた。
「すまない・・・」
明日の事なんて何にも見えない毎日だから、確かな約束もしてやれない。
それでもサクラは赦してくれるのだろうか。
隣にそっと寄り添いながら、優しく笑ってくれるのだろうか。
月明かりを受けてほんのりと輝いている薄紅の髪を、一房掬い上げた。
サラサラと冷たい感触が指の間を擦り抜けていく。
サラサラサラサラ・・・
飽く事無く何度も繰り返し、無心に眠るその顔をじっと見詰める。
小さく呼吸を繰り返す唇や、僅かに震えている睫毛の一本一本が、本当に愛しくてたまらない。
でも、愛しく想えば想うほど、彼女を追い詰め、傷を負わせた。
想いが通じなかった方が、幸せだったのだろうか。
・・・今となっては、もう手遅れだけど。
唇だけで密やかに囁く。
「アイシテル・・・」
にこり・・・と微かにサクラが笑った。
夜明け前。
まだ薄暗い、蒼茫とした大空。
ポツンと蒼い月だけが、何時までも二人を見守り続けていた。